2008.04.27 Sunday
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』

いやーすごかった。。。
半年前から公開をずーっと楽しみにしていて、かなりハードルを上げて観にいったんだけど、そのハードルを軽々と飛び越えていきましたよこの映画は。
大学でサークル活動に参加してから日比谷シャンテシネに行く。
公開初日のシャンテシネはどの回も満員だったらしい。
最終回の始まる2時間前に行ってチケットを買ったんだけど、その時点でかなり席は埋まっていてちょっとビックリ。
『プルートで朝食を』を初日に観にいった時は半分も埋まってなかったのに・・・
開始10分前に劇場に行くと、客席はもうびっしり埋まっていた。
満員の映画館で映画を観るなんて何年ぶりだろう。
始まったとたんレディオヘッドのギタリスト、ジョニー・グリーンウッドの奏でる不協和音ががーんと来る。
うわぁー、やべー、始まりからすごいドキドキさせられる。
最初の15分くらいは全くセリフがなく、金から石油に価値が移り変わり、男たちが危険な状況の中穴を掘っていく姿が淡々と映し出される。
そして主人公のプレインビューは、掘削中に事故で死んだ仲間の子供H.W.を引き取り育てていく。
プレインビューはH.W.のかわいい顔を交渉の際の道具として利用する。
そして将来の跡継ぎとして大事に育てていくのだが、掘削中の事故でH.W.は耳が聞こえなくなってしまい、プレインビューは手に負えないH.W.を施設に追いやってしまう。

しかしプレインビューにH.W.への愛情がないかというと、そういうわけではない。
プレインビューは心のどこかで血縁を欲しがっている。
だからいきなり現れた弟だと名乗る男を、耳の聞こえなくなったH.W.の代わりに自分の片腕とし、それが偽者だとわかり殺した後に涙を流す。
のちに成長したH.W.と決別するシーンがあるのだけれど、そこでH.W.と上手くいっていた頃の回想シーンが映し出される。
あぁ、やっぱりプレインビューはH.W.を愛していたんだ。
それでも石油の方を優先させてしまうプレインビュー。
屈折した男だぁ〜。。。
そしてプレインビューと敵対するのが地元の牧師イーライ(ポール・ダノ)。
イーライは地元では熱狂的な信者をもつカリスマ牧師。
正直、かなりイッちゃっていてキモイ(でもそこが良い)
土地を売る際に契約した協会への寄付金5000ドルを払わず、石油と金で地元での影響力を増していくプレインビューを疎ましく思っている。
そしてパイプラインを引くために仕方なく協会の洗礼を受けることになったプレインビューを、イーライはこれまでのうっぷんを晴らすかのようにひどい(そして滑稽な)扱いをする。

ここはこの映画の一番の名シーン。
イーライ、、、
プレインビューにあんなこと言わせるなんて、すげー意地悪な奴だ。
しかもあんな平手打ちをバシバシと…笑
はっきし言ってこのシーンはコメディだ!!!
客席もPTA作品に詳しいであろう映画ヲタが多かったので、PTA独特のブラックユーモアに大笑いしていた。
そしてこのイーライ、実はプレインビューとはかなり似たもの同士。
口先では神がどうのこうのと偉そうなことを言っているが、中身は金で動くしたたかな奴なのだ。
ラストのボウリング場でのシーン(ここもコメディ)、こいつ何しにプレインビューのところに来たんだと思ってたら、結局は金か!
「神は経済の不況を予測なさらなかった・・・」
とかふざけたことを大真面目に言うから大爆笑ですよ!
プレインビューも洗礼の時の仕返しとばかりに
「私は偽預言者だと言え!」
とこれまた意地悪なこと言うんだけど、それに簡単に従っちゃうダメなイーライ(ここでも爆笑!)
もうね、たちの悪い兄弟喧嘩なんだよね。
「お前のミルクセーキ飲み干してやるぅ〜〜!!!」
ってそんな脅し文句あるいかい!笑
人はボウリングのピンじゃありませんから!
そして二人の対決の決着がついた後、エンドロールでかかる音楽。
すごいセンスある!!!
もう脱帽ですよ!!!
そして何よりプレインビューを演じたダニエル・デイ=ルイスが凄すぎる!
この映画は8割型デイ=ルイスしか映しません。
他の人が喋ってても、それを聞いてるデイ=ルイスの姿を映し出す。
他の役者だったらすごい違和感を感じるんだろうけど、まばたきひとつで感情を表現するデイ=ルイスなので同じ顔でもまったく飽きない。
そしてたまに血管ぶち切れそうなハイテンション演技で感情を爆発させるデイ=ルイス。
怖すぎて身震いがする・・・!!!
彼の演技を見れるだけで千円以上払う価値はあります。
見終わった後あまりにも衝撃的過ぎてパンフレットを買ってしまったよ・・・
700円もするのに・・・
しかももう一度観にいきたいとか思ってるし。
レディースデイにまた観にいこうかな?
とにかく是非観てほしい映画。
百聞は一見に如かずですよ!





